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上棟式とは? 費用や流れ・手配の仕方や準備するものは?

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上棟式とは? 費用や流れ・手配の仕方や準備するものは?

家づくりのステップのうち、地鎮祭と同じくらい分かりにくいのが「上棟式」ではないでしょうか。
ここでは「みんなはどうしてるの? 」「いくらくらいかかるの? 」「そもそも行うべき? 」といった率直な疑問にズバリと答えます。
自分たちに合った上棟式のスタイルを考えるヒントにしてみてください。

上棟式とは

上棟式の前に、まずは「上棟」について触れてみましょう。
上棟とは、柱や梁を組み上げていき、最上部の構造材である「棟木( むなぎ )」を上げること。「棟上げ(むねあげ)」「建前(たてまえ)」とも呼ばれます。



乾燥した地域で生まれた2 ×4(ツーバイフォー) 工法では、時間をかけて積み木のように構造材を組み上げていき、最後に屋根をのせます。
一方、雨の多い日本で生まれた在来工法では、大切な構造体を雨にさらさないよう、1 日で一気に屋根まで組み上げてしまいます。

今はクレーンなどの重機がありますが、昔はすべて手作業だったため、構造材を1 日で組み上げるのは大変な作業です。そこで上棟にあたって、棟梁をはじめ大工さん、鳶職のかたがた、施主や親戚、ご近所さんたちが集まって「上棟式」というお祝いを行ったのです。

棟が上がると地域の習わしに従った儀式があり,その後、施主は上棟に関わってくれた人たちへの感謝を示すため、ご祝儀や祝酒、ご馳走、餅投げなどをふるまいました。
これが「直会 (なおらい) 」という宴会で、昔は夕方から深夜まで続きました。

現在ではご近所や親戚の手伝いはほとんどありませんし、構造材も技術者がクレーンを使って組み上げます。そこで上棟式も簡略化されて、棟梁が工事の安全を祈願した後、施主から工事関係者へのねぎらいとして、ご祝儀やお弁当、お酒などを配るというスタイルが一般的になりました。

上棟式の流れ

ここでは、上棟式の一般的な進め方をご紹介します。
一般的な形式で行う場合は、地域によってやり方が違うので、現場監督や棟梁に相談しましょう。

①どのようなスタイルで行うか決める。

・一般的な形式か、オリジナルのスタイルか

・神主を呼んで祭礼を行うか、行わないか

・日程は上棟した当日か、または別の日か

・場所は建築中の現場か、または別の会場か

②現場監督に事前に話して、参加者に時間と場所を伝えてもらい、参加人数を確認してもらう。

③スタイルに合わせて料理などを手配する。

④建築中の現場で行なう場合は、時間になると大工さんなどが場所をつくってくれるので、用意した料理や飲み物を運ぶ。

⑤棟梁による安全祈願などの儀式があり、施主から工事関係者へ感謝やねぎらいの言葉を述べる。

 

⑥料理や飲み物をふるまう。

⑦終了後、工事関係者にご祝儀や引き出物を手渡す。

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上棟式の費用の相場

次にご紹介するのは、上棟式の一般的な相場です。総額で10万円~30万円程度になることが多いようですが、地域によっても差が大きいため、そのエリアでの相場を現場監督や棟梁に確認してください。

●料理代として……1人あたり3000~5000円くらい

●ご祝儀として……棟梁、鳶頭に20000 ~30000円、その他の工事関係者に5000~10000 円くらい

●引き出物を渡すなら……1 人あたり2000円くらい

 

上棟式を実施する時期

次は、上棟式を実施する時期について紹介します。
昔は上棟のために集まってくれた方々のために、当日の夜に行われていましたが、現在はご近所への騒音に配慮して、別の日の昼間に行なうこともあります。

場所も建築中の現場ではなく、別の会場を用意して行なうケースも。
いずれにしても、日程は上棟の日からあまり遅くならないほうがいいでしょう。

 

上棟式の手配方法と必要な準備

上棟式の手配方法や必要な準備は、地域によって大きく違います。
正式なスタイルで行なう場合は、現場監督を通じて、上棟を仕切る棟梁(大工の頭)に方法を詳しく聞いて下さい。

上棟式はあくまでも「現場の方々への感謝とねぎらい」が目的です。
独りよがりにならないよう、詳しい方に相談しながら準備を進めるのがベストです。
オリジナルな形式で行なう場合も、内容をあらかじめ伝えておきましょう。

上棟式ってそもそも必要? 行なわない場合は?

ここからは、上棟式の必要性や、行わない場合について考えてみましょう。

上棟式を行なうかどうかは、施主の自由な意志で決まります。
かならず開催しなければいけないものではありません。

上棟式は工事関係者への感謝とねぎらいを伝えるのが目的ですが、上棟の時に来ていただくのは、鳶職の方、大工さん、現場監督さんなど、工事に関わる方の一部です。
電気、給排水、左官、家具などの工事が進むにつれて、職人さんの人数はどんどん増えていきます。
そう考えると、途中から加わる人も含めて、それぞれにお会いしたとき「お世話になります」と感謝の気持ちを伝えれば十分かもしれません。

また、式への参加人数が多くなると、それなりに費用もかかります。
上棟式に10~30万円かかるのであれば、その分を工事費に回したいという人もいるでしょう。
さらに、工事関係者に本音を聞いてみると、10年ほど前までは「上棟式は必須」という大工さんも多かったけれど、今では少数派。
冷たい折り詰め弁当やお酒も、あまり歓迎されないこともあるようです。

工務店さんによると、昔ながらの冷たい折り詰め弁当よりも、手作りで温かみのあるもてなしや、手作りのお土産、施主が自分で気に入っている地元の食べ物などのほうがうれしいし、お施主さんの思いも伝わるとのこと。
それなら一般的なスタイルにこだわらず、自分たちらしく感謝を伝えてみてはいかがでしょうか。

ここからは、設計事務所「プランボックス」のお施主さんが実際に行った、オリジナルな上棟式の例をいくつかご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

< オリジナル上棟式の例 >

●カレーをふるまう

上棟後に手作りのカレーを用意し、炊きたてのご飯と一緒に配りました。カレーは人数が限定されず、量も本人が調節できるので好都合。前日にゆっくり仕込んでおけるので、当日バタバタしなくてすみます。
一人一人にお皿を渡すとき、顔を見ながらお名前や職種などを聞けて、親しくなれるのもメリットです。

●バーベキュー形式

職人さんたちに大人気だった上棟式。カセットコンロを持ってきて天ぷらを作ったお施主さんもいました。準備はちょっと大変ですが、現場が戸外なので、気候のいい時期ならおすすめです。

 

●自分がおいしいと思う手土産

よくある仕出しのお弁当やお酒は、工事関係者に評判がよくありません。それよりも、自分たちがおいしいと思っているもののほうが喜ばれます。
これまで好評だったのは、地元の特産品、手作りのクッキーやアップルパイなど。男性に甘いお菓子はどうかと思うかもしれませんが、持ち帰って家族でいただくので大丈夫です。

 

上棟式で実現したいのは「工事に関わる方々との気取らないコミュニケーション」
気持ちが通じて親しくなれれば、ご祝儀などの必要性も感じられなくなるかもしれません。

ものづくりをされている方々は、みなさんとても魅力的です。
“ 雇っている施主と雇われた職人" という関係ではなく、“ 一緒に家づくりをする仲間" のようにつき合えたら理想的ですね
ただし、工事中の不安やクレームは直接職人さんに言わず、現場監督に話しましょう
うまく取り持ってもらえますよ。

 まとめ

上棟式と聞くと堅苦しいイメージがありますが、大切なのは「ありがとうございます」と「おつかれさまです」の気持ちを伝えること
形式にこだわるより、自分たちの気持ちが伝わり、その後の工事がスムーズに進むような方法を見つけたいものです。

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アドバイスをくださったのは

プランボックス 一級建築士事務所
小山 和子さん
1955年広島県生まれ。女子美術大学芸術学部卒業。87年に小山一級建築士事務所、95年に一級建築士・湧井辰夫さんと共同で現事務所を設立。http://www.mmjp.or.jp/p-box/

取材・文/後藤由里子

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