コラム

今さら聞けない生命保険の基本!やっぱり入るべきなの?

  • クリップ
今さら聞けない生命保険の基本!やっぱり入るべきなの?
「貯金が十分にあれば生命保険はいらない」「子どもがいなければ生命保険は必要ない」という声をよく聞きますが、その一方で、生命保険会社のパンフレットやホームページを読むと高額の生命保険が必要そうに見えくるものですよね。
さて、本当に生命保険は必要なのでしょうか?

生命保険の必要性は家族構成によって変わるもの。
今回は、家族構成のケースにもとづいて検証していきたいと思います。

ケース1:共働きの夫婦だけの家庭

夫婦ともにフルタイムで働いている場合、生命保険は無理に入らなくても大丈夫でしょう。
夫婦のどちらかが亡くなっても、残された一人は自力で生活費を稼ぐことができますし、また、亡くなった夫が会社員だった場合は、残された妻に遺族厚生年金(報酬比例部分の額の4分の3)も支給されます。

一方、会社員の妻に先立たれた夫が55歳未満の場合、夫に遺族厚生年金は支給されません。ちょっと男女差別ですね…。

ケース2:会社員の夫と専業主婦、あるいはパート勤務の妻の家庭

妻が専業主婦やパート勤めのケースでは、稼ぎ手である夫が亡くなった場合は、残された妻が生活に困ることになります。
したがって、残された妻がフルタイムで就職できるまでの間の生活費を確保しなければなりません。
残された妻の就職のしやすさ&しにくさを考えて、2~5年分の生活費を目安とした金額の生命保険に入っておくとよいでしょう。

なお、このケースでも会社員の夫を亡くした妻には遺族厚生年金が出ますが、会社員の妻を亡くした夫が55歳未満の場合は、夫が専業主夫であろうと被扶養者であろうと、夫に遺族厚生年金は出ません。

子どもの養育費はどのくらいかかるか

子どものいる家庭のケースを考える前に、子どもの養育費がどのくらいかかるかを見てみましょう。

「AIUの現代子育て経済考2005」の調査によると、子どもが生まれてから大学卒業までにかかる費用(生活費+学費)は以下のとおりです。

・幼稚園から大学まで全部公立の場合: 約3,000万円
・小学校・中学校・高校が公立で、幼稚園・大学(理系)が私立の場合: 約3,300万円
・小学校・中学校が公立で、幼稚園・高校・大学(理系)が私立の場合: 約3,500万円
・小学校が公立で、幼稚園・中学校・高校・大学(理系)が私立の場合: 約3,800万円
・小学校が公立で、幼稚園・中学校・高校・大学(医・歯系)が私立の場合: 約6,000万円
※大学が私立文系の場合は、私立理系よりも約100万円安くなります。

ただし、この数字は子どもの誕生からの養育費です。
子どもが大きくなるにつれて、これから必要となる養育費は減っていくため、生命保険の保障額を考える際には、子どもが小さいうちは保障額を大きく、成長するにしたがって保障額を下げていくことを考えましょう。

よって、年々保障額が減っていく逓減定期保険特約付き終身保険を利用したり、終身保険に定期保険を組み合わせて何年かごとに保険を見直したりすることも必要になります。

ケース3:共働き夫婦+子どもの家庭

夫婦ともにフルタイムで働いている場合、夫婦ともに生命保険をかけておくことをオススメします。
生命保険の保障額は、子どもの人数、これからかかる子どもの養育費、残される妻・夫の収入、遺族厚生年金や遺族基礎年金などを考えて決めます。

なお、会社員の夫を亡くした妻には、遺族厚生年金と遺族基礎年金(子どもが18歳になった年度末まで支給)が出ます。
しかし、会社員の妻を亡くした55歳未満の夫には遺族基礎年金(子どもが18歳になった年度末まで支給)は出ますが、遺族厚生年金は出ません。
この違いも考えて、夫・妻それぞれの保障額を決めましょう。

ケース4:会社員の夫+専業主婦(あるいはパート勤務)の妻+子どもの家庭

妻が専業主婦やパート勤めの場合、稼ぎ手である夫が亡くなるケースに備えて、しっかり生命保険をかけることになります。
子どもがまだ小さい場合は、残された妻がしばらく働くことができないケースも想定しましょう。
最低でも、子どもが全員大学を卒業できるだけの学費と、残された家族が生活を立て直すまでの2~5年の生活費は生命保険で確保したいところです。

その後の生活費は、遺族厚生年金と遺族基礎年金(子どもが18歳になった年度末まで支給)+妻の収入などでまかなえることを想定しています。

あなたの家族はどのケースに当てはまりますか?
この機会に一度、家族でじっくりと話し合ってみるのもいいのではないでしょうか。

<プロフィール>
おおいみほ
ファイナンシャルプランナー(AFP)/二級ファイナンシャル・プランニング技能士
銀行にて、預金商品やローン商品、クレジットカード商品のマネジメント業務を経て、現在はウェブサイトなどのマネー関連記事の執筆、個人投資家として活動中。

写真© shou1129 - Fotolia.com
ファイナンシャルプランナー(AFP)/二級ファイナンシャル・プランニング技能士。銀行にて、預金商品やローン商品、クレジットカード商品のマネジメント業務を経て、現在はウェブサイトなどのマネー関連記事の執筆、個人投資家として活動中。
  • クリップ

Ranking

ランキング

もっと見る

Popular Kurashinista

人気の暮らしニスタ

もっと見る

1

ハッピー(小寺 洋子)さん

195758

料理愛好家。大阪在住/日常の小さな喜び(宝物)を...

2

舞maiさん

143413

本の世界から観る史跡巡りが好きで古都にも足を運び...

3

mamayumiさん

81938

おうち料理愛好家。福岡在住/夫と小4の息子の3人...

4

ペグペグさん

72754

食べることと飲むことが大好き、作るのはまぁまぁ好...

1

ハッピー(小寺 洋子)さん

1341236

料理愛好家。大阪在住/日常の小さな喜び(宝物)を...

2

舞maiさん

623878

本の世界から観る史跡巡りが好きで古都にも足を運び...

3

mamayumiさん

483732

おうち料理愛好家。福岡在住/夫と小4の息子の3人...

4

happydaimamaさん

136419

USJが大好きな3人息子の母ちゃん☆ユニバリアル...

*ココ*さん

5649374

力を抜いてゆるゆるでいこう🎵

ハニクロさん

4005516

3児の母、医療関係の仕事をしています。 身...

Asakoさん

6094316

グリーンや異国の雑貨やファブリックに囲まれ、好き...

RIRICOCOさん

4350862

築40年60㎡マンションに家族5人暮らし。子ども...

コストコ男子さん

12226147

コストコアドバイザーのコストコ男子です。 コス...