美容室でカラーリングをする際に、「今日はリタッチにしますか。それとも全体を染めますか」と聞かれて、迷ったことはありませんか?
今回は、リタッチがどのような施術なのか、どのようなメリットがあるのか、全体染め(フルカラー)とどのように組み合わせていったら良いかをご紹介します。
そもそもリタッチとは?
「リタッチ」とは、美容師の業界用語のようなものですが、簡単に言い換えれば「根元染め」のことを言います。「Re : touch」=(伸びてきた部分を)再び触る。といったような表現で、ネーミングされています。
一度カラーリングをすると、根元から伸びてきた地毛と色・明るさの差が出ます。この根元部分のみを再びカラーリングすることで、全体染めをしなくても均一な色・明るさに戻すことができます。
現在のフルカラーは傷みにくい
髪全体をカラーリングする場合、「毛先が痛む」と思う方が多いようです。しかし、現在のフルカラー(全体染め)は、以前までのそれとは違い、ダメージがかなり抑えられているのをご存知でしょうか。
数年前は、根元も毛先も同じような薬剤でカラーリングをしていたり、毛髪理論が業界としてまだしっかりしていなかったり、薬剤の質もまだまだ発展途上だったりして、髪の傷みを抑えながらのカラーリングが難しかったのです。
それが現在では、様々な髪のコンディションに対応できる薬剤が開発され、髪の根元・中間・毛先と状態に合わせた塗り分けをするようになったり、毛髪理論も急激に進化し、髪の中でどのようなことが起きているか、それに対してどのように対処したらより良いかを判断できるようになったりと、美容師側もメーカー側も努力してきた結果、フルカラーによる髪の傷みはかなり抑えられるようになりました。
さらに最近では、薬剤に直接トリートメントを混ぜ、カラーリングをしながら同時にトリートメントを髪に定着させる方法も普及していて、むしろフルカラーをした方が髪のコンディションが良くなるケースもあります。
リタッチとフルカラーの使い分け
リタッチとフルカラーのメリット・デメリットを確認してみましょう。
◎リタッチ
・メリット:料金を抑えられる。施術の時間がフルカラーより短い。毛先が傷まない。
・デメリット:毛先がそのままなので、色落ちした感じをカバーできない。
◎フルカラー
・メリット:色味が入るのでツヤがしっかり出る。肌の色に馴染んだカラーリングをすることで、顔が明るく元気な感じに見え肌の透明感が上がって見える。
・デメリット:料金が高くなる。リタッチより施術の時間が長い。場合によっては毛先に負担がかかる。
毎回リタッチでは、毛先などの色落ちした感じをカバーできません。逆に、毎回フルカラーでは、場合によってはダメージにつながりますし、料金も時間も毎回かかってしまいます。
これらメリット・デメリットを踏まえた上で、フルカラーとリタッチを交互に、もしくはフルカラーの後リタッチを2回ほど挟んだら、次はフルカラーをするといった流れがオススメです!料金・時間面でのバランスが取れるのはもちろん、毛先の負担をより最小限に抑え、完全に色落ちしきったあたりでちょうど良く色を補充できます!
次のカラーリングの時期と、リタッチかフルカラーかを美容師と相談してみるのも良いですね。あなたの髪の状態・季節・予定などに合わせて、ベストな提案をしてくれるでしょう。
写真 © Monet - Fotolia.com
美容師をしています。とにかくお客様に喜んでいただくことが大好きで、一人ひとり丁寧に気持ちを込めて仕事をさせていただいております!今日まで約10年間、業界で過ごしてきて、髪・頭皮・肌についての専門知識を豊富に持っています。その専門知識を分かりやすくお伝えし、今後のオシャレに役立つよう記事を書かせていただきます!