掃除のプロが警告！主婦が見逃しているコワーイ〝かくれ汚れ″とは！？

調査で判明！家の中の“かくれ汚れ”NO.1スポットって…？

NPO法人日本ハウスクリーニング協会が主婦450人を対象に調査したところ、主婦が大掃除のときに意識する場所と、お掃除のプロから見た〝見逃されがちな場所″には大きな開きがあることがわかりました。

※プロから見て「見逃されがち」な場所と、主婦の「掃除している」場所を引き算

〝かくれ汚れ″ワースト１位になったのは『風呂の追いだき配管』。
意外でしたか？　この『風呂の追いだき配管』ですが、〝主婦が普段掃除しない場所″でも〝大掃除しない場所″でも、堂々の（？）１位となりました。浴室の壁や床、浴槽などは自分で掃除をしたり、プロに頼んだりする人も多いのですが、目に見えない部分だけに意識が向かないようですね。

風呂の追いだきは、いつでも熱いお湯に入れるとても便利な機能。でも、主婦のみなさんからは、「そもそも追いだき配管を掃除するなんて発想がなかった」「掃除の仕方がわからない」との声が数多くあがっています。

毎日使うのに放置されがちな場所になっているようですが、実は、専門家によると、配管の中は汚れと雑菌の温床になっているのだとか！

あなたも雑菌だらけの風呂に入っている可能性が！！

下の写真は、あるお宅の浴室。掃除が行き届いていて、ぱっと見はキレイに見えますよね？

ところが！下の写真を見てください。
こちらはこの浴室の追いだき配管を、プロが特殊な機械を使ってお掃除をしている最中の写真です。

追いだき配管からドロドロの汚れがこれでもか！と出てきているのがわかりますよね。思わず「えーっ！？」とのけぞってしまうような、衝撃の光景です。見た目はきれいなお風呂でも、内部はこんなにも汚れているのです！

そもそも、「追いだきのシステムがよくわからない」という人も多いと思いますので簡単に説明すると、浴槽内の冷めたお湯が追いだき配管を通ってボイラーに運ばれ、温められてから再び追いだき配管を通って浴槽に戻ってくるというシステム。つまり、必ず配管を通って浴槽のお湯を循環させることになるため、入浴した人の体から落ちた汚れや菌もお湯とともに循環してしまい、徐々に配管内にたまっていってしまうのだとか。

この配管内の汚れですが、掃除しないままで放置すると、どうなってしまうのでしょうか？　

カビや雑菌などの微生物に詳しい衛生微生物研究センターの李憲俊所長は、「雑菌の発育条件は、30℃程度の温度と水、そして栄養（＝汚れ）があること。風呂の追いだき配管は、体に付着していた汚れや垢を栄養にすることができるため、雑菌の増殖が促される環境がそろっています」と指摘。

実際に、同センターが一般家庭15件の追いだき配管内の残り湯を調べたところ、すべての家庭で雑菌が確認されたとのこと。さらに、同じ家庭の浴室排水口のヌメリ周辺の菌数とほぼ同レベルだったとの報告も！　

「菌の数から考えると、洗浄をしていない配管で追いだきして入浴することは、ヌメリのある排水口を通ったお湯に入浴しているのと近い状況」と李所長。これでは、きれいになるために入浴しているつもりでも、実際は菌を浴びる雑菌浴をしているようなものですね。

子どもや高齢者のいる家庭は要注意！病気を引き起こす恐れも

掃除をしていない追いだき配管のお湯には、さまざまな雑菌が潜んでいます。主に検出される菌は、〝黄色ブドウ球菌″〝大腸菌″〝緑膿菌″など。これらの菌は、人間にどんな害を及ぼすのでしょう？

感染症が専門の大和高田病院・清益功治先生によると、特に免疫力の低い子どもや高齢者がいる家庭は注意が必要とのこと。

「追いだき配管を通ったお湯に入浴し、お湯が口から入ると菌も一緒に体内に侵入し、症状を引き起こす可能性があります。ブドウ球菌は子どもの皮膚に水疱などを作ったり、伝染性膿痂疹（とびひ）を起こすことも。大腸菌は子どもには胃腸炎、新生児の場合は細菌性髄膜炎を起こしたり、菌の毒素で食中毒を起こす恐れもあります」（清益先生）。

また、子ども同様、免疫力の低い高齢者も、これらの菌が原因の食中毒や肺炎に注意が必要。目には見えない雑菌ですが、知らず知らずのうちに健康被害の原因になっているかもしれないんです！

また、他の季節に比べて、寒い冬は抵抗力が低下しがち。これらの菌に感染する危険性が他の季節よりも高まるとの指摘もあります。湯船でゆっくりお湯につかって温まりたい季節なのに、菌の感染リスクがあると思うとリラックスもできませんよね。

市販の専用掃除アイテムで自分でも簡単に掃除できる！

追いだき配管の汚れを放置すると危険なことは理解していただけたでしょうか？
ただ、「掃除の必要性はわかったけど、業者に頼まないと掃除できないのでは？」と思っている人は多いかもしれません。

専門業者に頼むのが好ましいのは確かですが、ドラッグストアなどでも手軽に追いだき配管専用の洗浄剤が手に入ります。日本ハウスクリーニング協会の高橋敬子さんによると、月に１回程度、専用洗浄剤で掃除することで、雑菌退治ができるのだそう。

上の写真・左は、追いだき配管内の残り湯から検出された黄色ブドウ球菌。これを見るとまさに菌だらけだということがよくわかります。それを専用の洗浄剤でお掃除した後のお湯が右の写真。湯船に洗浄剤を入れて追い焚きをするだけの簡単お掃除で、こんなにもきれいになるのです。

家族に健康被害が及ぶかもしれない追いだき配管の汚れ。大掃除のときはもちろん、月１回程度の掃除を習慣にして、雑菌から大切な家族を守りたいものですね！

文／金澤友絵

＼おうちをプロの技で綺麗に／
自力ではなかなか満足に掃除できない部分、プロのお掃除ですっきりしませんか？