コラム

【子どものしつけ】「ほめる」&「感謝」が効果絶大!まずは親が手本を示そう

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【子どものしつけ】「ほめる」&「感謝」が効果絶大!まずは親が手本を示そう
ほめる子育てをしたいのに、つい子どもを叱ってしまう自分は「ダメな親」……最近、こんなふうに思っている人が増えているような気がします。でも、それは正しい考え方なのでしょうか。

子どもの発達を専門とする、お茶の水女子大学の菅原ますみ先生が、迷えるママたちに指南します!

ほめる場面は「よい行動」と「がまんできたとき」

「子どもはほめて育てよう」と言われますが、うまくほめられない人は少なくないかもしれませんね。「ほめる」というと、多くの人は「親が感心したり、感激したりしたときにほめる」と考えます。ですから「結果」や「努力」にこだわりがちです。

それはそれでよいのですが、ここで言う「ほめる」は、少し目的が違います。「しつけ」のため、ルールを守れるようにするための手段として「ほめる」のです。どういう場面でほめるかというと、以下の二つです。

①今後も継続してほしい行動(よい行動)をほめる

たとえば、ふだんあまり食べない子がごはんをぱくぱく食べているとき。ママのお手伝いをしたとき。いつもは3回言わないと動かないのに、1回でおふろに入ったとき……。

とにかく、親が「またやってほしい」と思える行動が見えたらすかさずほめます。子どもは無自覚にやっていることも多いので、ほめられることで「これをやればほめられる」と気がつけば、またやろうとします。

②よくない行動をがまんしたときにほめる

実はこれ、①よりも難しい手段です。たとえば夕食の前にチョコを食べて叱られた子が、次の日も夕飯前に「チョコが食べたいなぁ」と思っていたとします。ここでママに「今日はチョコ食べないでね」と言われると反発しますが、「今日はチョコをがまんしているね。えらいね」とほめられると、チョコに伸びそうだった手を引っ込めることができるのです。

でも実際には、「食べていない」という段階で気がつくのは非常に高度なテクニックです。「したこと」は見えやすいのですが、「しなかったこと」は非常に見えにくい――そこに気づけるママは、子育て上手だと私は思います。

子どもをめったにほめられないなら「OKライン」を引き下げて


もしも「ほめるところがない」と思っているのであれば、親子の“プチ危機”だと思ってください。子どもの心の中は「認めてもらえていない」という不安感でいっぱいかもしれませんよ。

繰り返しますが、「できてあたりまえ」だけれど、「その子にとってはなかなかできないこと」を積極的にほめてください。「おはようって言えたね」「ごはん、全部食べたね」「きょうは弟とケンカしないで仲良く遊んでくれたね」「静かに座っていられたね」――そんな一つひとつが、ほめるネタになるのです。


「ほめすぎると、調子にのりませんか?」と心配される人もいますが、しつけのために「よい行動」をほめるぶんには、問題ありません。

子どもは親のOKサインやNGサインを見ながら、自分の行動を修正していきます。叱ることだけでは、「何がOK」なのか実感しにくいので、「これはOK」と思える場面では、どんどんほめてあげてください。

子どもにやって欲しいことは、親がまずやる

ほめることはもちろんとても大事なことですが、社会のルールを学ぶもっとも大きなルートは「見て覚える」ということです。子どもは、親が思う以上に親を見ていて、その行動を自分の中に取り入れようとします。ですから、子どもにしてほしいことは、まず親がやる。これは鉄則中の鉄則といえます。

そのいちばんいい例が挨拶です。朝は「おはよう」と言う。帰って来たら「ただいま」を言う。幼稚園に入ったら、幼稚園でも言う。「それがあたりまえなんだ」と思えるようになると、マナーやルールを飛び越えて「やって当然のこと」として習慣化します。 

でも実際には、案外むずかしいのです。祖父や親戚が同居している大家族なら、さまざまな言葉やあいさつ、行動を目にする機会が多いことでしょう。子どもも学習する場面が自然と増えます。ところが核家族になると、日中はママと子どもだけしかいません。飛び交う言葉も限られています。

また、夫婦が普段からどんな関係なのかはとても大事なことです。
たとえば「うちの子、ありがとうやごめんなさいが言えないんです」と心配するママがいますが、そのような場面を日常的に見ていない可能性があります。夫婦が「あ・うん」の呼吸になってしまい、会話が減っているのではないでしょうか?

「はい・いいえ」、「どうぞ」「ありがとう」「どういたしまして」「ごめんなさい」というやりとりが日常にあれば、子どもは自然と「何かしてもらったら、ありがとうと言う」と学びます。そのうえで、公園でおもちゃを貸してもらったときに「ありがとうは?」とママに言われると、「ありがとうは、ここで使うのだ」ということが腑に落ちるので、自分の言葉として定着しやすくなります。

外でほめられるから、よい習慣は“強化”される

それに、「ありがとう」「ごめんなさい」「こんにちは」などを言える子は、外でも自然に使うので、家族以外の人にほめられることが増えます。

ここが重要なのです。「言われてする」のではなく、「自主的にする」ことでほめられたのですから、大きな自信になります。また、その子にとってごく当たり前のことをしているにもかかわらず、外の人に認められたのです。「挨拶はしたほうがいい。だって、そのほうがいいことがある」と刷り込まれます。ルールが、自分のものになる瞬間です。

なお、子どもはかなり幼い頃から、自分の性別を意識します。男の子はお父さんをモデルに、女の子はお母さんをモデルにする傾向があるので、同性の親はとくに意識して見本になる必要があると思います。

文/神 素子
『その叱り方、問題です!― 「個性診断」でその子に合った「叱り方」がバッチリわかる!(菅原ますみ著/主婦の友社刊より)


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