コラム

不満が多いのは自己評価が低いから？！「自分ほめ回路」で脱ネガティブ思考

更新日：2017.10.28

本人はマイナスの感情を表現するのが下手だといわれています。
誰かや何かに対して不満や不快感を抱いているのにハッキリ主張できず、ため込んでしまっていませんか？
主婦もまた、世の中で言われている“当たり前”に押しつぶされそうになりながら、育児のイライラが募り、つい子どもに理想を押し付け怒ってしまい、自己嫌悪に陥ったりしているのです。じっとがまんしながら、心の中ではイライラ、クヨクヨ。その結果、自分のことまで嫌いになってしまったり…。そこで、NPO法人「自己尊重プラクティス協会」代表理事の手塚千砂子先生に、「自分ほめ」の極意をお聞きしました。

ネガティブ思考の原因は自己評価の低さ

手塚先生によると、日本人は誰かや何かに不満や不快感を持っていても、ため込んでしまって発散するのが下手なのだそう。ギリギリまでがまんしてがまんして、最終的に爆発して、ケンカ腰になってしまう。「それでは、相手も当然ケンカ腰になるので、結局何も解決しません」と手塚先生は言います。
そして、「こうせねばならない」という先入観が強い人も多いと言います。「マニュアルにとらわれているのでしょうか。自分で自分を追い込んでイライラしているように見えます」（手塚先生）。他者と比較し、人と同じようにできていないと自分を責める。子どもや他人に対する評価も同じで、「こうでなくちゃいけない」「最低でもここまでは」という意識が強すぎて、ほめることができないというのです。「でも、『こうでなくてはいけない』と決めているのは誰ですか？　あなた自身ですよね。逆にいえば、『私は私でいい』『この子はこの子でいい』とOKを出すのも自分です」（手塚先生）。
これらのネガティブ思考の原因は「自己評価の低さにある」と、手塚先生は指摘します。他人の評価を通じてでしか自分を確認できないので、結果、人の目ばかり気にするように。中でも女性は、グループ内での人間関係や力関係に敏感。ついつい、気を遣いすぎたり、「よく思われよう」とばかり考え、ストレスをためこむことが多くなります。また、すぐ誰かのせいにする人や、いつも周囲に不満をもっている人も同じだと言います。ブツブツ文句を言ったり、悪口を言っている姿だけを見ると、自己評価がとても高いように見えますが、実は自分を尊重して自分を愛していないから、他人に対する不平不満をつのらせてしまうのだそう。「自己中心と自己尊重はまったく別もの。自分を尊重し自分を愛せる人は、他者をも尊重できるし愛せます」と手塚先生はバッサリ。なんだか痛いところを突かれた気がしますが、まさに正論です。ブツブツ言いながら、結局ガマンしてしまう。そんなタイプの女性が多いのではないでしょうか？

自分をほめて育てる！

自分を尊重するためには、自分の中に「ほめ回路」を持つこと。外にばかり向けていた自分の意識を自分に向け、「私はどう感じているのか」「私は本当にダメなのか」を見つめ直してみる。そして、自分自身をほめることが大事だと手塚先生は言います。
「自分をほめ続けていれば、いつの間にか『私は私。このままでいい』と感じるようになり、自然と子どもや夫、周りの人のことも受け入れられるようになります。他者と比べなくなるのです」と手塚先生。
「うぬぼれるな」としつけられてきた私たち日本人にはちょっとハードルが高いような気がしますが、要は慣れの問題。自分の美点を探し、無理にでもほめ続けるうちに、少しずつ気持ちが変わってくるのだそうです。
「自分のことをほめて育てること。たとえば、主婦の方であれば“ママであること”、それだけで素晴らしいんです。みなさんは子どもを産んで育てている。自分の命ひとつあるだけでも素晴らしいのに、さらにもう一つの命を胎内で育てて産むことができたのです。もっと誇りと自信を持っていいのです」（手塚先生）。
自分は自分自身であるだけで素晴らしい。そう思ったら、少し気が軽くなりませんか？　「自分ほめ回路」を自分の中に持つだけで、イライラもクヨクヨもちょっぴり減ってくるはず。悩む自分もステキな自分！と自分を丸ごと愛する習慣をつけてみましょう。

ＮＰＯ法人「自己尊重プラクティス協会」代表理事
手塚千砂子先生
心のレッスンルーム「心のジム・テヅカ」主宰。自尊感情を高めるための独自のプログラムを開発し、全国各地でワークショップや講演会を多数行っている。

写真© kazoka303030 - Fotolia.com
※出典：雑誌『Como』（主婦の友社）／「ママのイライラを解消する50の方法」より

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