コラム

毒親にならないために気をつけることとは？　

更新日：2017.10.28

「私の親は毒親だった」。メディアで有名人がそう告白する機会が増えたこともあり、「毒親」という言葉を見聞きしたことがある人も多いのではないでしょうか。あなたの身近にも、「自分の親が毒親だった、毒親に悩まされてきた」という方がいるかもしれません。

毒親とはその字の通り、“子どもにとって「毒」となる親”のこと。身体的虐待・ネグレクト（または心理的虐待）など目に見える行動を取るタイプから、親本人は「子供のため」と思ってしている行動や、周囲が見て「子どものため」と判断される行動が、子どもにとっては大きな心理的負担になってしまっているタイプまで、その種類は様々です。

「自分は子どもにとって良いこと・正しいことをしている」と自分では思っていても、気付かないうちに子どもにとって毒親になってしまいかけているなんてことも、ないとはいえません…。

今回は、そんな「毒親」にならないために気をつけるべきことについてご紹介します。

毒親の典型的な４つのタイプ

毒親のタイプは大まかにいうと4つに分けられます。

・虐待・束縛する親
・子どもを無視する（ネグレクト）親
・自己中心的で子どもをないがしろにする親
・子どもに過干渉・支配的な親

虐待・束縛する親、子どもを無視する親などは、詳細な説明をしなくても、子どもにとって毒となる親だとはっきりわかりますよね。そういった仕打ちを受けた子どもは、「自分も子どもができたら同じことをしてしまうのでは」という悩みを大人になるまで抱え続けてしまい、悪い場合にはそれが精神疾患に繋がってしまうケースも多いようです。

自己中心的で子どもをないがしろにする親とは、恋人とのデート(離婚しており独身の場合)、または友人との遊びのために子どもを置き去りにして出掛けてしまう親など、自分のことが一番で、子どもを放置することの多い親のことです。ひどい場合には、アルコール中毒や精神疾患が原因となり子どもに心中を求めてくる親など、自分の都合に子どもの生命までも巻き込んでしまうというケースも。

また、中でも知らないうちになってしまう可能性が高いのが、子どもに過干渉・支配的な親です。子どもが自分でやれることを取り上げてやってしまう、子どもの意見を聞かず自分の意見を押し付ける、自分の思い通りの行動をとるように子どもをコントロールしてしまう、などなど…。親自身は「子どものため」「子どもが自身にとって最良な道を歩めるように」と一生懸命に考えた上で行動しているので、自分では子でもの負担になってしまっているとは気付かないままに毒親になってしまっているのです。

毒親にならないために気をつけること

虐待やネグレクトは、しないように気をつけている親がほとんどだと思います。また、子どもをないがしろにしている場合も、多くの場合は子どもに害を与えていることを自覚していることでしょう。ここでは特に、子どもに過干渉・支配的なタイプの毒親にならないために気をつけたいことについてご紹介します。

子どもに過干渉・支配的な親の場合は、とにかく子どもを自分の所有物だと思ってしまいがちな傾向にあります。とくに教育熱心な親ほどその傾向にあるといえるかもしれません。そんな毒親にならないためには、特に次のことに気をつけましょう。

・子どもの個を認める（「子どもは自分の分身ではない」ということを認識する）
・子どもがやりたいと言ったことは、危険なことや周囲に迷惑がかかること以外はやらせる
・子どもに自分の考えを押し付けない（進路、友達付き合いなど）
・子どもに自分自身で判断させる

子どもとの関わり方次第で毒親になることも

いくら愛情を持って育てているつもりでも、子どもが自分のことを「価値のない人間だ」と思って育ってしまうと、子どもに「毒親」だと認識されてしまう危険性もあります。そのように思って育つということは、自己肯定感を十分に持てないままだということ。自己肯定感を持てないまま育つと、自分の置かれた状況に満足できないことを、親のせいにしてしまう可能性も。

今の自分があるのは、自分が努力しなかったせいではなく、毒親に育てられたせいだと責任転嫁をしてしまうようになると、親が毒親でなくとも子どもには毒親と認識されてしまう場合もあります。子どもが自己肯定感をきちんと持てるようになるためには、子どもとしっかり向き合うことが大事です。幼少期から悪い子でもよい子でも「愛している」ということを伝える、子どもの話を真剣に聞く、子どもの頑張りを認めるといったことが大切です。

いかがでしたか？子どものためを思ってあれこれし、かわりに物事の判断までしてしまうということも、「毒親」への一歩です。子どもは成長するもの、そしてやがて親のもとから独立するものということを忘れずに、自分で判断できる子どもに育てていきたいものですね。

＜プロフィール＞
たいらまお
フリーライター
大学時代に教育学部で言語学・教育学・心理学などを学ぶ。大学卒業後、教育関連企業に就職。退職後カナダに渡り、留学カウンセラーとして働く。現在は帰国し、子育ての傍らフリーライターとして、子育て・恋愛・旅行関連の記事など幅広く執筆活動を行っている。

写真© zdravinjo - Fotolia.com

Profileたいらまお

フリーライター
大学時代に教育学部で言語学・教育学・心理学などを学び、教育関連企業に就職。退職後カナダに渡り、留学カウンセラーとして働く。帰国後、子育ての傍らフリーライターとして、子育て・恋愛・旅行関連の記事など幅広く執筆活動を行っている。

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