コラム

しっとり潤い肌に効果的？！保湿成分セラミドを徹底解明

更新日：2017.10.28

保湿化粧品でよく見るのが「セラミド配合」という文字。このセラミド、ほかの保湿成分に比べて、極めて保湿力が高いということをご存知でしたか？
セラミドは肌のバリア機能担当で、外部の刺激から、その高い保湿力で肌を守ってくれるんです。
今回は、化粧品に多く配合される4つのセラミドに注目し、その保湿力の高さについて紹介していきたいと思います。

セラミドとは？

『三匹のこぶた』のお話はご存知ですよね？　三番目のこぶたが建てたレンガの家だけが、オオカミが風を起こしても吹飛ばされなかったというお話ですが、セラミドは肌をみずみずしく保つことで、レンガの家のように外部刺激から肌を守る役割があります。

セラミドは肌の一番外側の角質層に存在し、水分を抱える肌細胞をサンドイッチのように挟み込んでいます。
肌細胞がレンガだとすると、セラミドはつなぎ合わせるセメント部分。そして、“水分を挟む”セラミドは、“水分を抱え込む”ヒアルロン酸やコラーゲン、“水分を吸着する”グリセリンよりも保湿力が高いと言われています。

私たちが手で触れられる肌の角質層は、紫外線や異物などの刺激から肌を守る役割を持っています。けれど、セラミドが不足し、肌が乾燥した状態になると、バリア機能が働かず肌トラブルが起きやすくなってしまいます。

そして、セラミドは化粧品が浸透する角質層にあるので、お手入れでの効果を感じやすいとも言われています。
では、化粧品に多く使われる4つのセラミドを紹介します。

天然セラミド

天然セラミドは、別名『ビオセラミド』や『セレブロシド』と呼ばれ、主に馬の脳や脊髄から抽出したセラミドの名称で、水と油の両方になじむ性質を持っています。
動物由来であるため、体内で生成されるセラミドと構造が似ていて、高い保湿力を持っているのです。

化粧品の表示成分としては、上記のほかに『ウマスフィンゴ脂質』とも表記されます。
この天然セラミドを配合した化粧品を使い続けることで、体内で作られるセラミドの量を増やす効果が期待できると言われていますが、価格が高いことが難点です。
逆を言えば、天然セラミド配合を謳っている化粧品なのに安価な場合は、配合量が少なく、効果を実感するのに時間がかかるかもしれません。

天然セラミドの1番のポイントは肌のバリア機能を高める、そして、肌の修復力が高いことです。肌荒れにお悩みの方は、是非お試しくださいね。

ヒト型セラミド

ヒト型セラミドは『バイオセラミド』とも呼ばれ、酵母から作られます。
体内で生成されるセラミドとほぼ同等の化学構造で作られているヒト型セラミドは、保湿力や浸透力に優れ、刺激も少ないので、アトピーや重度の乾燥肌の方、加齢により肌のバリア機能が失われている方にもおすすめです。

ただし、ヒト型セラミドは水にまったく溶けません。油やアルコールなどへの溶解性がとても低いので、これまでは化粧品に配合するのが困難でした。
現在では、富士フイルムが技術開発に成功し、『ヒト型ナノセラミド』という形で商品化されています。

植物性セラミド

植物性セラミドは、米ぬかやとうもろこし、大豆やコンニャクから作られるセラミドです。
最近では、「コンニャクセラミド」が安価で大量生産できる点、他の成分と違ってアレルギーを引き起こすアレルゲンになりにくい点が注目されています。

“天然の植物由来”と聞くと肌によい気がしますが、人間の体内のセラミドと構造が違う植物性セラミドは、吸収率が悪いのが難点です。
だだし、安価で手に入りやすいという利点もあるので、使用する場合は原液に近い高濃度のものを選ぶことをおすすめします。
化粧品表示は『植物性セラミド』や『コメヌカスフィンゴ糖物質』です。

合成セラミド

合成セラミドは『疑似セラミド』とも呼ばれ、石油原料から化学的に作られています。
別名『天然型セラミド』とも呼ばれていますが、冒頭で紹介した天然セラミドとは全く別の成分です。

安価で大量生産ができるので多くの化粧品に配合されていますが、「天然セラミド」や「ヒト型セラミド」に比べると効果は薄くなります。

ただし、合成セラミドの持つバリア機能は臨床実験などで効果が確認されているので、セラミドとしての意味がないという訳ではありませんし、価格が安いので試しやすい利点もあります。
化粧品表示は『セチルＰＧヒドロキシエチルパルミタミド』などです。

セラミドと言えど、これだけの種類や構造の違い、効果の差があります。価格や用途、お悩みにぴったり合うセラミドで、「オオカミが風を吹いても壊れない！」バリア機能の高いしっとり潤い肌を目指してみてくださいね。

＜プロフィール＞
宮村さき
美容ライター／コスメコンシェルジュ。
外資系コスメの元トップ販売員。売上1位の実績から、スタッフへのスキンケア研修なども行う。コスメコンシェルジュの資格を取得後、美容コンテンツ制作会社へ入社。編集業務に従事する傍ら、自身の経験を活かした美容テクニックをコラム等で紹介している。

写真© naka - Fotolia.com

Profile宮村さき

美容ライター／コスメコンシェルジュ。外資系コスメの元トップ販売員。売上1位の実績から、スタッフへのスキンケア研修なども行う。コスメコンシェルジュの資格を取得後、美容コンテンツ制作会社へ入社。編集業務に従事する傍ら、自身の経験を活かした美容テクニックをコラム等で紹介している。

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