コラム

母性本能をくすぐる❤年下男性の魅力がたっぷり堪能できる本

更新日：2017.10.28

最近では珍しくない「年上女性×年下男性」のカップル。
女性が社会進出するようになり、“女性を養うのは男性”という考え方も減ったことで、まだまだ収入が少なく社会的地位も確立していない若い男性との付き合いに抵抗がなくなってきていることも要因のひとつかもしれません。

今回は、すでに年下男性をパートナーとして持つ人、年上のパートナーを持っているけれど年下男性が気になる人にオススメしたい『年下男性の魅力がたっぷり堪能できる本』を4冊紹介したいと思います。

年上女子×年下男子の王道ストーリー

『年下の男の子』（五十嵐貴久／実業之日本社）

マンションを買った37歳独身、課長補佐の晶子。
ある日、そんな晶子に取引先とのトラブルが起こり、徹夜で問題解決に勤しむ中、手伝ってくれたのは取引先のPR会社勤務の23歳・契約社員の児島だった……。

晶子を気に入った児島は、食事に誘ったり、マンションへの引っ越しを手伝ったりと、徐々に晶子との距離を縮めようとします。
しかし、どれだけ児島が晶子を気に入っても、14歳という年齢差を気にして、晶子はなかなか前に進めません。
次に付き合う男性は年齢的にも結婚を考えなければいけない。
しかし、14歳も年下の彼と本当に結婚なんてできるのか？……と悩む彼女の気持ちは、女性なら誰もが共感できるもの。

男性作家が書いたとは思えないほど胸キュン展開も多い本作ですが、描かれた女性像は非常にリアル。
晶子の気持ちに寄り沿いながら、年下男性の魅力を堪能することができます。

2冊目：年下男性との恋愛をのぞき見!

『A2Z』（山田詠美／講談社）

文芸編集者の夏美は、同業者で夫の一浩から恋人の存在を打ち明けられる。
そのことを知った夏美はショックを受けるものの、同時期に年下で郵便局員として働く成生と恋に落ちたことで平常心を保つことに……、そんな夏美と2人の男との奇妙な関係を描いたラブストーリー。

お互いに仕事ができ、ある程度の高ステイタスの中で生活をする夏美と一浩。
そんな一浩との生活に突如現れたのが郵便局員の成生。
成生は一浩とは違い、若く、稼ぎも少なく、仕事にも神経を注がないながらも日々自分らしく生活を送っています。
そんな一浩と成生の違いの中に、夏美は自分の居場所を見つけていきます。

W不倫の話ではあるのですが、深刻にはならず爽やかに描かれる本作。
結婚という形にとらわれない彼らの生き方は、とてもスタイリッシュです。
不倫の話ということで、現在は年上男性をパートナーに持つ人が、年下男性との恋愛を少しのぞいてみたいと思ったときに読むのもいいかもしれません。

シリーズ化されファンも多い作品

『キスまでの距離おいしいコーヒーの入れ方Ⅰ』（村山由佳／集英社）

高3の春、父の転勤のため、いとこ姉弟と同居するはめになった勝利。
久しぶりに会う5歳年上のいとこ、かれんの美しい変貌ぶりに驚く。
さらに驚くことにかれんは勝利の高校の新任美術教師になってしまい……。

勝利とかれんのピュアな恋物語を描く本作の『おいしいコーヒーの入れ方』シリーズは、現在18冊刊行されているファンの多い作品。
先に紹介した1冊目、2冊目は、バリバリ働く女性が主人公で、年下で稼ぎも少ないけれど魅力的な男性と恋に落ちる物語ですが、この『おいしいコーヒーの入れ方』シリーズは男性が主人公で、年上だけど頼りない女性を守ってあげたいと感じる物語です。

年下としての魅力を持ちながらも、頼りがいのある姿を見せる勝利の姿に心ときめく人も多いのではないでしょうか？
シリーズ1作目は高校生と社会人の恋愛ですが、シリーズが続くごとに2人も大人になっていきます。
2人の成長を見守りながらも楽しむことができる作品です。

大人の恋を描く名作

『夏の終わり』（瀬戸内寂聴／新潮社）

妻子ある売れない作家との8年におよぶ愛の生活に疲れ果て、年下の男との激しい愛欲に溺れる知子。
女流文学賞を受賞した「夏の終わり」のほか、4作を描いた短編集です。

本作は、瀬戸内寂聴さんが出家前の瀬戸内晴美を名乗っていた頃に書かれた私小説。
1966年に発売された作品ですが、現代に読んでも古さを感じさせません。
それは、時代性よりも、女性の本質に重点を置いた作品だからといえるでしょう。
年下男性の魅力だけでなく、女のというものについて深く考えさせられる本作は、全ての女性に手にとってほしい一冊です。

年上女性×年下男性のカップルが増えたとはいえ、まだまだ年上男性をパートナーに持つ人も多いもの。
“年下男性が好き”という人はもちろんですが、“年上男性が好きだけど、年下男性も少しのぞいてみたい”という人も、ぜひ一冊手にとってみませんか？　新しい世界が広がるかもしれませんよ。

＜プロフィール＞
舟崎泉美
ライター／エンタメライター。富山県出身、東京都在住。小説や脚本を執筆し、その経験を活かしライターとして雑誌やWEBなどに、本のレビュー、映画レビューなどを書く。最近はエンタメに限らず、女性向き媒体でさまざまなジャンルの記事を執筆。第一回本にしたい大賞受賞。著書「ほんとうはいないかもしれない彼女へ」（学研パブリッシング）。

写真© liza5450 - Fotolia.com

Profile舟崎泉美

ライター／エンタメライター。富山県出身、東京都在住。
小説や脚本を執筆し、その経験を活かしライターとして雑誌やWEBなどに、本のレビュー、映画レビューなどを書く。最近はエンタメに限らず、女性向き媒体でさまざまなジャンルの記事を執筆。第一回本にしたい大賞受賞。
著書「ほんとうはいないかもしれない彼女へ」（学研パブリッシング）。

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