「表す」と「現す」の違いとは?意味や使い分けから英語表現まで例文付きで解説!

「表す」と「現す」の違いとは?意味や使い分けから英語表現まで例文付きで解説!

同じ言い方である「表す」と「現す」の2つの言葉には、微妙な意味の違いがあります。本記事では、意味の違いから適切な使い方だけでなく、類似する言葉や英語表現についても詳しくご紹介しています。

言葉のニュアンスについて知ることで、正しいコミュニケーションを取れるようになります。さまざまな状況で適切な言葉を選ぶことで、ビジネスシーンなどでの印象も大幅に向上することでしょう。

この記事を通じて、言葉の選び方に迷うことなく、自信を持って意思を伝える力を身につけましょう。

「表す」と「現す」の意味

まずは、意味の違いをしっかり理解しましょう。「表す」と「現す」には微妙な違いがあるため、誤った使い方では文章に違和感が生じたり、意図した意味が伝わらなかったりする可能性があります。適切な表現を選ぶためには、まず意味をしっかり理解することが重要です。

以下では、両者の意味と違いのポイントを解説します。それぞれの意味の違いと言葉のニュアンスを把握することで、適切な状況で適切な表現を選ぶ力を養いましょう。

「表す」の意味

  • (表す)心に思っていること、考えていることなどを、表情・言葉・絵などで示す。表現する。「喜びを顔に―・す」「言葉に―・すのは難しい」
  • (表す)ある特定の意味を伝え示す。意味する。「花言葉で黄色いバラが―・すのは嫉妬だ」

出典:goo辞書

「表す」は、抽象的なアイディアや感情、思考などを言葉や行動を通じて示すことを指します。つまり、内面から湧き上がるものを外部に表現する場面で使用されます。

例えば、感謝の気持ちを言葉で表すことや、考えを文章で表現することなどに使われ、主にコミュニケーションや表現の場面で使用されます。

「現す」の意味

  • (現す)今まで見えなかったものを外に出して見えるようにする。実態を明らかにする。「姿を―・す」「正体を―・す」
  • (現す)持っている力をはっきり表に出す。「頭角を―・す」

出典:goo辞書

「現す」は、具体的な物事や状況を目に見える形で示すことを指します。主に証拠や実証が求められる状況で使用されます。また、以前には見えなかったものが出現したことなど、視覚的な出現や変化を指し示す際にも使用されます。

例えば、データをグラフで表現することや、事実を証拠として示すこと、などです。

「表す」と「現す」の違いのポイント

「表す」は抽象的な内容や感情を示す際に使われる言葉であり、「現す」は具体的な事実や状況を示す際に用いられる言葉です。要するに「抽象的か」「具体的か」により使い分けられますが、「表現するのか」「明らかにするのか」の視点でも使い分けのポイントがあります。

ただし、「頭角を現す」のような例外も存在します。この表現では、才能などが群を抜いて優れていることを指すため、抽象的な意味にも思えるかもしれません。しかし、この表現は大勢の中で目立つ存在を指し、頭の先が他とはっきり見えている様子を表現します。

このように、一般的な分類から外れる例外もあることを考えると、「現す」が使われるべき状況については文脈や表現のニュアンスをよく考慮する必要があります。

「表す」と「現す」の言い換え

「表す」の言い換えとしては、以下のような言葉があります。

  • 示す
  • 表明する
  • 表現する
  • 言い表す
  • 明示する

例文

  • 彼の行動は、彼の誠実さを示しています。
  • 政府は新しい政策を表明しました。
  • 画家は、彼の感情を美しい絵画で表現しました。
  • 彼は、自分の考えを明確に言い表しました。
  • 契約書には、条件が明示されています。

一方、「現す」の言い換えには、以下のような言葉があります。

  • 示す
  • 証明する
  • 明らかにする
  • 実証する
  • 表面化する

例文

  • この統計データは、トレンドを示しています。
  • 科学的な実験は、その理論を証明しました。
  • 調査結果は、問題の重要性を明らかにしました。
  • 統計データは、この傾向を実証しています。
  • 事件の真相は、ついに表面化しました。

ちなみに、同じ読み方でも「顕す」や「著す」は、「表す」や「現す」の意味とは少し異なります。顕す、は優れた行為などを世間に知られることを言い、著す、は自分の思想などを書物に書くことを意味します。

「表す」と「現す」の例文

意味や類語を確認したら、次は例文をチェックしましょう。例文を確認することで言葉や表現が実際の文脈でどのように使われているかを理解しやすくなります。

また、言葉やフレーズの微妙なニュアンスや違いを理解することができるので、正確な意味で使えるようになりますよ。ここでは、「表す」と「現す」の両方について具体的な例文を挙げています。

「表す」の例文

例文① 彼の微笑みは彼の幸せを表している。

解説:この文では、感情を外部に示すことを意味しているため、「表す」を用います。

例文② この絵は作者の想像力と創造力を表しています。

解説:ここでは、特定の品質や特性を示す意味があるため、「表す」を使います。

例文③ 彼女の言葉は深い感謝の気持ちを表しています。

解説:この文では、抽象的な感情を示す意味があるため、「表す」を使います。

例文④ その記念碑は国の歴史的な意義を表しています。

解説:ここでは、物事の意味や価値を示す意味があるため、「表す」が正解。

例文⑤ 雨が外を打つ音は平和と静寂を表しています。

解説:この文では、物事の特性や状態を示す意味があるため、「表す」が正解。

「現す」の例文

例文① 彼の行動は信じられない事実を現しています。

解説:ここでは、以前には見えなかった事実がはっきりと現れる様子を表しているため、「現す」が適切です。

例文② 調査結果は問題の深刻さを現しています。

解説:この文では、具体的な実証が求められる場面で「現す」が適しています。

例文③ データの分析結果は、新たなトレンドを現しています。

解説:具体的なデータをもとにして情報を明らかにする際に「現す」を用います。

例文④ その実験は、新たな可能性を具体的に現しています。

解説:実験の結果が具体的な方法で新たな可能性を提示している状況のため「現す」を用いています。

例文⑤ 彼女は今まで隠していた正体を現した

解説:今まで隠れていたことが明らかになるという点で「現す」が適切です。

「表す」と「現す」の英語表現

次に、英語表現も確認してみましょう。一見、英語表現は必要ないように思えるかもしれませんが、多様な表現を学ぶことで、より表現力が向上することができます。

以下では、「表す」や「現す」の意味に対応する英語表現を紹介しています。より広い範囲で自信を持ってコミュニケーションができる能力を身につけましょう。

「表す」の英語表現

「表す」の英語表現としては、「show(ショウ)」や「express(エクスプレス)」が挙げられます。「express」は、アイディア、感情、意見などを言葉や行動を通じて伝えることを意味します。例えば、感情や意見を述べる、アイディアを明確にする、思いを伝えるなどの文脈で使われます。

一方、「show」は、物事や情報、概念などを他人に示すことを意味します。例えば、絵画や写真を見せる、グラフを示すなどの文脈でよく用いられます。自分の考えや感情を他人に伝えたり、視覚的な手段で情報を提供したりする際にこれらの表現を使うことができます。

「現す」の英語表現

「現す」の英語表現としては、「appear(アピール)」や「come to be well known(カム トゥ ビー ウェル ノーン)」が挙げられます。

まず、「appear」は、物や人が視覚的に目に入る状態になることや、演劇や映画などで登場すること、特定の状況や場所に現れることを意味します。

一方、「come to be well known」は、ある事物や人物が広く知られるようになることを指します。例えば、アーティストが作品や才能によって有名になる、商品が市場で認知度を上げるなどの状況で使用されることがあります。これらの英語表現を使うことで、現すが持つ様々な意味を伝えることができます。

全問正解できる?例文クイズに挑戦しよう

ここまで学んだら、最後にクイズに挑戦しましょう。クイズは知識の向上に役立ち、楽しみながら学ぶ絶好の機会です。言葉の使い分けをマスターしたい方にとっては特におすすめですよ。

以下に、「表す」と「現す」の使い分けに関する5つのクイズを用意しました。よく考えて正しい回答を選んでみてください。どれだけ理解できているか、チャレンジしてみましょう。

クイズ①

その絵は作者の情熱を「あらわす」。

クイズ②

彼の行動は彼の気持ちを「あらわす」手がかりだ。

クイズ③

彼の成功はその地域の新たな可能性を「あらわす」。

クイズ④

彼女の行動は彼女の信念をはっきり「あらわす」。

クイズ⑤

調査データは環境への影響を明らかに「あらわす」。

正解と解説

①表す

解説:作者の心の内の感情という抽象的なものを表現しているため「表す」が適切です。

②表す

解説:気持ちという抽象的なものを指しているため「表す」が適切な表現です。

③現す

解説:可能性が明らかになるという意味で使われているため「現す」が正解。

④表す

解説:信念という抽象的なものを表現するという意味で使用されているため「表す」が正解です。

⑤現す

解説:具体的なことを明らかにするという意味で使われているため「現す」が適切な表現です。

まとめ

クイズは全問正解できたでしょうか。「表す」と「現す」は似たような意味をもっていますが、絶妙にニュアンスが異なるため、間違いやすい表現のひとつです。

日常生活からビジネスシーンまで幅広く使う表現だからこそ、意味の違いをしっかり理解して使い分けましょう。一目置かれる存在になるためにも、日常から積極的に使用してくださいね。

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