冬瓜の旬の季節は冬じゃない?意外な旬の時期やレシピも紹介!

冬瓜の旬の季節は冬じゃない?意外な旬の時期やレシピも紹介!

冬瓜は煮込みやスープにすると美味しい、水分たっぷりの野菜です。「冬」の「瓜」と書くため冬が旬と思われがちですが、旬は冬ではありません。

本記事では冬瓜の旬の時期や、なぜ「冬瓜」と書くのか理由を解説。和風だけではないアレンジレシピも紹介します。

冬瓜の旬

冬瓜の旬の季節は夏。具体的な旬の月は7月〜9月頃です。スーパーなどでの販売時期は、地域差はあるものの7月〜9月頃に多く出回ります。

日本で主に生産されている冬瓜は「琉球冬瓜」や「大丸冬瓜」で、30cmほどの大きさに成長することもある品種です。そのため、スーパーなどではカットして売られていることもあります。

旬は夏なのになぜ「冬瓜」なの?

夏野菜である冬瓜の名前に、なぜ「冬」という漢字が使われるのでしょうか?その理由は、冬瓜が長く保存できることに由来します。

冬瓜は皮が分厚く長持ちする野菜。冷暗所では収穫後約半年、冷蔵でも皮つきであれば1〜3ヶ月は保存が可能です。そのため「冬まで保存できる瓜」=「冬瓜」となったといわれています。

また、冬瓜はあっさりとした味わいでクセがないため、アレンジしやすい点が魅力です。夏は冷たいさっぱりとした料理で、冬は柔らかく煮込んで、季節に合わせた料理が楽しめます。

冬瓜の産地

冬瓜の主な産地は、沖縄県・愛知県・岡山県です。それぞれの産地について紹介します。

沖縄県

冬瓜の国内生産量トップは沖縄県です。2020年の農林水産省調査によると、年間2,900トン生産され、シェアは約33%。他の地域より収穫時期が早いのが特徴です。

東京都中央卸売市場に入ってくる沖縄産の冬瓜は、秋頃から出荷が始まり、4月から5月にかけてピークを迎えます。ちなみに、沖縄本島では冬瓜のことを「シブイ」と呼びます。

「シブインブシー」という冬瓜の味噌煮料理は、夏におすすめのメニュー。豚肉と味噌の旨味が冬瓜に染み込んで、食欲がおちやすい暑い時期でも箸が進む味です。お酒のおつまみにもぴったりですよ。

出典:農林水産省「地域特産野菜生産状況調査」

出典:野菜情報サイト「野菜ナビ」

愛知県

全国2位の生産量を誇る愛知県。東三河南部地域では、ハウス・トンネル栽培が中心です。地面に直接触れないよう、緩衝材の上で丁寧に栽培されています。

また、豊橋市では「豊橋なんぶとうがん」をブランド化し、「地理的表示(GI)保護制度」に基づくGI認証を受けました。「豊橋なんぶとうがん」は着色ムラがなく、光沢のある鮮やかな見た目が特徴です。

“「地理的表示保護制度」は、その地域ならではの自然的、人文的、社会的な要因の中で育まれてきた品質、社会的評価等の特性を有する産品の名称を、地域の知的財産として保護する制度です。”

出典:地理的表示(GI)保護制度:農林水産省

岡山県

冬瓜の生産量全国3位は岡山県です。岡山県産の冬瓜の多くは、瀬戸内市牛窓町で栽培されています。

瀬戸内市牛窓町は瀬戸内海に面し、冬瓜作りに適した環境です。温暖な気候と強い日差しを活かし、防寒用ネットをトンネルのように張る「トンネル栽培」で長期出荷が可能となっています。

冬瓜の特徴と栄養

冬瓜は水分が多くヘルシーな野菜で、ダイエット食としても注目されています。冬瓜の特徴と栄養をまとめました。

冬瓜の特徴

冬瓜はウリ科ウリ属の野菜で、インドが原産といわれています。奈良時代の文献に冬瓜についての記述があり、日本では古くから食べられてきた食材です。

冬瓜は大きく育ち長期間の保存が可能なことから、戦後の食糧難の時代にもよく食べられていました。

冬瓜の種類には、表面に白く粉を吹いたような丸型の「大丸冬瓜」や、沖縄県産に多くみられる縦長で表面に艶がある「琉球冬瓜系」、サイズが小ぶりな「姫冬瓜」などがあります。

かんぴょうの原料となる「ゆうがお」や「しろ瓜」なども、冬瓜の仲間です。

冬瓜の栄養

冬瓜は95%以上が水分で、100gあたり16kcalと低カロリーな野菜。冬瓜に多く含まれる栄養素は、下記のとおりです。

  • ビタミンC
  • カリウム
  • 葉酸

ビタミンCには、病気に対する抵抗力を高める働きがあります。そのほか、肌の健康維持や日焼け対策、貧血予防にも効果的といわれています。

カリウムは体内の余分な塩分を排出する働きがあり、むくみ予防に役立つ成分です。

葉酸は赤血球の生成を助ける働きがあります。細胞の生産や再生に関わるため、妊娠初期に摂取が推奨されている栄養素です。

美味しい冬瓜を選ぶポイント

美味しい冬瓜の見分け方をご存じですか?美味しい冬瓜を選ぶ時のポイントは、重さと実の表面です。詳しく紹介します。

ずっしり重いもの

冬瓜はずっしりとした重みのあるものを選びましょう。

冬瓜は95%が水分のため「重みがある=水分を多く含みみずみずしい実」ということになり、美味しい冬瓜であると判断できます。

実の表面に粉がふく・ツヤがあるもの

大丸冬瓜は、表面にびっしりと白い粉がふくと完熟の証です。

琉球冬瓜系は粉をふかないため、皮の色が鮮やかな緑色で、ツヤがあるものを選びましょう。

カット済みの場合

切り口が真っ白く、みずみずしいものが美味しい冬瓜の印です。

ワタがしっかりしていて、種の部分まで実がつまっているものを選んでください。切り口が変色しているものは避けましょう。

冬瓜の保存方法

冬瓜は長持ちする野菜ですが、正しい保存方法でなければ傷んでしまうこともあります。冬瓜の保存方法について解説します。

冷暗所で保存

皮がついたままの冬瓜は、冷蔵や冷凍よりも室内の冷暗所で保存する方が向いています。丸ごと新聞紙で包み、風通しの良い冷暗所に置いておきましょう。温度が13〜15℃、湿度が70〜75%に一定して保てる状況なら、半年ほどは保存が可能です。

冬瓜を新聞紙の端に置いてクルクルと転がすように包むと、簡単に包めます。

冷蔵保存

カットされている冬瓜は種とワタを取り除き、断面にラップをしてから冷蔵庫で保存します。皮はむかずに、そのまま冷蔵庫の野菜室に入れましょう。

種とワタはスプーンでくり抜くと、きれいに取れますよ。皮をむいて小さくカットした場合は、早めに使い切るようにしてください。皮は薄くむく方が煮崩れしにくく、美しい翡翠色に仕上がります。

冷凍保存

種とワタを除いて皮をむいた冬瓜をカットし、保存袋に入れて冷凍します。冷凍庫で3週間程度は保存が可能です。

スープや煮物用であれば約3cm角に、味噌汁や炒め物なら約1cm幅の薄切りにすると使いやすいですよ。解凍後は水気が多くなるため、汁ものや炒め物など加熱調理に利用するのが向いています。

とろりとした食感が好きなら、下茹でしてから冷凍するのもよいでしょう。まず種とワタ、皮を取ってカットした冬瓜を6〜10分茹でます。茹であがったら氷水に取り、しっかりと水気を取ってください。

茹でた冬瓜はくっつきやすいため、1食分ずつラップで包んでから冷凍用保存袋に入れます。冷凍庫で1ヶ月程度の保存が可能です。

冬瓜のレシピ紹介

冬瓜は煮込むことでトロトロとした食感になり、あっさりとした味わいが楽しめる野菜です。定番のおかずやスイーツなど、冬瓜のレシピを紹介します。

冬瓜煮おろしポン酢がけ

暑い日にぴったりの冷たい作り置きレシピです。切って煮込むだけの簡単調理で作れます。

さっぱりしているので、食欲がない時でも食べやすい!冬瓜に含まれる水分とカリウムは、夏バテ予防にもおすすめです。

栄養士まみさんのアイデア

【冷たい作り置きレシピ!】冬瓜煮おろしポン酢がけ☆切って煮込むだけでOK!

材料 : 冬瓜 / しょうが / みりん / 白だし / 水 / 大根 / ポン酢(市販)

冬瓜は体内の余分な水分を排出してくれるカリウムが含まれており、むくみ解消や便秘解消効果が期待できます!
水分とカリウムを取ることによって、夏バテ防止効果が期待できるので、これからの季節にオススメ♡

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冬瓜の中華風ツナクリーム煮

汁までしっかり食べられる料理なら、冬瓜の栄養を逃さずに取ることができます。

冬瓜は和風だけでなく、中華や洋風の味付けとも相性が良いです。冷房で体が冷えてしまった時は、温かい料理で体の内側から温まりましょう。

栄養士まみさんのアイデア

【食材3つで冷えを軽減!】冬瓜の中華風ツナクリーム煮

材料 : 冬瓜 / ツナ缶 / 水 / 鶏がらスープの素 / 牛乳 / 塩 / ☆片栗粉 / ☆水

冬瓜には利尿作用があり、体内にこもった熱っぽさを排出してくれる作用が期待できるんです!ということで、今日は汁まで食べれる「冬瓜」のクリーム煮をご紹介します(^^)

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冬瓜のレモン煮

冬瓜は、ちょっぴり変わった美味しいデザートにもなります!

冬瓜は水分が多く低カロリーの野菜。肌の健康を維持したい方や、ダイエット中の方にぜひ一度試してもらいたいレシピです。

長寿の里さんのアイデア

ちょっぴり変わった美味しいデザート♪「冬瓜のレモン煮」

材料 : 冬瓜 / レモン(国産ノーワックス) / グラニュー糖(甘さはお好みで調節してください)

今回は少し変わったレシピをご紹介。「冬瓜のレモン煮」です。冬瓜をまるまる一個購入してしまい残ってしまった時など、目先が変わってパクパク食べられます。

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冬瓜の旬を知って美味しく食べよう

冬瓜の旬は夏。7月〜9月頃に多く出回り、適切に管理すれば冷暗所で約半年間保存できます。また、冬瓜は95%以上が水分でできており、低カロリーであっさりとした味わいの野菜です。

さまざまな料理が楽しめるので、ぜひ暮らし二スタでレシピを検索してみてください。豊富なレシピが毎日投稿されています。

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