最近注目されている「すいおう」ってどんな野菜?

最近注目されている「すいおう」ってどんな野菜?
投稿日: 2017年4月14日 更新日: 2017年4月14日
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茎や葉が食べられるサツマイモ「すいおう」とは?

サツマイモの根・茎・葉は、栄養価が高く、ビタミンや食物繊維を豊富に含んでいる部分。
しかし、非常にアクが強く苦みもあるため食材として使用されることは少ないようです。
そこで登場したのが農研機構九州沖縄農業研究センターで研究の末に誕生した「すいおう」とよばれるサツマイモです。

「すいおう」に含まれている成分とその役割

研究に7年という月日を費やした「すいおう」には、鉄分・ビタミンB2・ビタミンKなどが豊富に含まれています。なかでも、ポリフェノール、ルテインという2つの注目成分も含有されています。

◆ポリフェノール
ポリフェノールとは、有機化合物の総称。自然界にはイソフラボン、タンニン、アントシアニン、カテキンなど約5000種類があるといわれています。

「すいおう」に含まれているポリフェノールの数値は、ほうれん草の2.5倍、ブロッコリー、キャベツ、レタスの約5倍ともいわれています。またポリフェノールには、視覚機能の改善、アンチエイジング、血流の改善、肝機能の向上、生活習慣病の予防や改善、肌の引き締めといった働きがあります。

◆ルテイン
ルテインは高い抗酸化作用をもっているカロテノイドの一種で、緑黄色野菜などに多く含まれています。人間の目の中にある黄斑部や水晶体、皮膚などにも存在しており、これらの部位を正常に機能させるために欠かせない成分です。

「すいおう」に含まれているルテインの量は、ケールの約2倍、エンサイの約3倍、ブロッコリーにいたっては約10倍と、他の野菜と比較しても大量のルテインを含んでいます。
また、目の機能の向上や改善、美肌や炎症抑制などの働きがあります。

この他にも「すいおう」には、カルシウム、鉄分、ビタミンB1などの成分が数多く含まれています。

豊富な栄養が摂れる「すいおう」

上記で「すいおう」そのものの成分についてくわしく紹介してきましたが、他の食品と合わせて食べた場合には、さまざまなよい作用をもたらします。ここでは、学会で発表された例なども踏まえて解説していきましょう。

◆血糖値上昇抑制作用
通常の食事と一緒に「すいおう」の加工食品を食べた場合、食後の血糖値の上昇を抑制させる作用が学会で発表されました。特に、食後30分の血糖値は約10mg/dlほど変わってきます。

◆血圧上昇抑制作用
こちらは動物実験。「すいおう」を粉末にしたものを餌に混ぜて高血圧の動物に与えた結果、最大で約30mmHg(ミリエーチジー)の血圧の上昇を抑制していたことがわかりました。これは、学術論文でも報告されています。

◆肝脂肪蓄積抑制作用
同じく粉末にした「すいおう」を餌に混ぜて動物に与えてみると、肝臓の中の総コレステロールと中性脂肪が最大で約100mgも抑えられることが学会において発表されています。

その他にも、美白作用、骨粗鬆症改善作用、抗酸化作用などが認められています。このように「すいおう」は、私たちの健康を維持するためのさまざまな働きを秘めています。ぜひ、食生活に取り入れて、健康な生活を送るためのきっかけにしてみてください。



【栄養士ライター】スズキ
栄養士養成施設を卒業後、栄養士の資格を取得し食品会社に勤務。食品会社を退職後は、自宅で料理教室を開き栄養学上正しい料理を広めています。現在は料理教室の運営の傍らタウン誌などで記事を執筆するなど、フードライターとして執筆を中心とした活動も行っています。NO.056


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